真柏(シンパク)は盆栽の中でも、いちばん変わった樹形を楽しめる、
芸術的な樹木です ♪( ´▽`) 僕も少しずつ盆栽を勉強していますが、
はじめて真柏の取り木をやってみました。
そこで今回は、真柏盆栽の取り木・挿し木の方法や、
取り木をしたついでに植え替えをしたので紹介します。
また、真柏盆栽の夏の主な手入れ作業についてもです。
真柏とは?
樹木の名前には別名が付けられているものが多く、
真柏もそのひとつです。
ヒノキ科ビャクシン属に ビャクシン(柏槇)という樹木があって、
別名は、イブキといいます。
ビャクシンには多くの変種があり、公園や学校などでよく見る
カイヅカイブキもそのひとつです。
ビャクシンの変種に、ミヤマビャクシンという種があり、
別名が真柏といいます。
和名 : 深山柏槇(ミヤマビャクシン)
学名 : Juniperus chinensis L. var. sargentii Henry
別名 : 真柏(しんぱく)
盆栽の世界では、別名の真柏で呼ばれているんですね。
真柏盆栽の夏の手入れ作業
夏(6月〜8月)の適期作業
・芽摘み・葉透かし
・挿し木
・取り木
・ジン・シャリ作り
特に挿し木や取り木は、この時期に行うことで、
ググっと成功率が上がります(゚∀゚) ♪
真柏の挿し木
現在、販売されている真柏のほとんどは、
挿し木苗から作られた物で、真柏の挿し木はかなり簡単です。
枝を切ったら、土に挿す。
簡単だと思いません?(゚∀゚) ♪
盆栽の枝って、大事に育てたやつなんで、
切っても捨てるのがもったいなく感じてしまいます。
挿し木によって、こども真柏が増えていっちゃうので、
そろそろ考えなくてはいけませんね笑^ – ^
他の草花や盆栽もあるので、置き場所がいっぱいになってきました(๑˃̵ᴗ˂̵)
・挿し木は高温多湿のときが、いちばん成功率が高い!
・挿し木をする土は、新しい赤玉土単用でOKです。
・発根するまで、土を乾かさないようにする。(腰水にしてもOK)
・挿し木が成長をはじめたら、発根したと思って大丈夫。
数多く挿しておけば、どれかは成功すると思いますし、
適当に庭に挿しても成功しました。
真柏の挿し木は簡単なので是非やってみてください♪(´ε` )
真柏盆栽の取り木の仕方は?
僕の育てている真柏が大きなサイズで、樹高が約80cmあり、
もう少し小さくしたいと思っていたので、取り木をはじめて
やってみました。
取り木の方法にはいくつかありますが、今回はメジャーな、
高取り法の「環状剥皮」というやり方で挑戦です!
環状剥皮とは?
根っこを出したい幹の下の部分をぐるっと1周、
樹皮を剥いで削る作業です。
幹の皮を剥いで形成層まで削り、そこを水苔や、土で覆い、
発根するまで乾燥しないように注意します。
「枯れたらどうしよう?」って思う、チキンな僕。笑(๑˃̵ᴗ˂̵)
でも、やっちゃいました。
結果を先にいいますと、大成功!♪(´ε` )
取り木の手順
1. 環状剥皮をやる
2. 剥皮した部分を覆う
3. 乾燥しないように水やり
4. 毎日見つめて発根を待つ(ぼくの場合です。)
5. 発根したら切り離す
真柏盆栽の取り木を実際にやってみた!
この真柏は樹高80cmぐらいなんですが、
ちょっと大きすぎるなぁ、
なんて思って小さくするために、取り木することにしました。2017年の5月7日です。
はじめての環状剥皮をやったところです。
幹直径の1.5倍の幅で剥皮するのが一般的らしいのですが、これはあとから知り得た情報で、
僕の読んだ本には、「幹径よりも広い幅を削る」と書いてあったんですね。
なので、適当に広く削ってしまいました。笑^ – ^
幹径は3cmなんで、1.5倍の4.5cmほど削ればよかったのに〜
僕は、8cmも環状剥皮をしていました(๑˃̵ᴗ˂̵)
結果的には成功したのでよかったです!
ちなみに、削るのに使ったのは剪定ばさみ。
剪定ばさみで幹をはさみ、ぐるっと1周そのまま回して、表皮に切り込みを入れます。
切り込んで、線のついたところから、えんぴつを削る要領で形成層までしっかり削ります。
表皮を剥ぐと、その下にしっとりとした、つるつるの層が出てきます。
これが形成層。
さらに削り進むと、見慣れた木材の部分が現れます。
ここまでで、環状剥皮は終了です。
発根させる部分(切り口の上側)は、きれいに切り直してやると、成功率がアップします。
そして、発根促進剤のルートンを切り口につけておくと、さらに成功率がアップ!
魔法の粉です。笑
僕はまんべんなくルートンをつけちゃいましたが、正解は、
発根する上の部分だけでいいようです。 (๑˃̵ᴗ˂̵)
そしたら、ビニールポットに切れ込みを入れて、幹の周りに取り付けます。
切れ目はホチキスで止めました。
そこに、赤玉土を入れます。土の重みで、ポットが落ちてくる気配がしたので、
シュロ縄で縛って補強しました。
これで水やりして、これからは乾燥させないように気をつけて、取り木するまで管理します。
それから、1年後の2018年5月。
見事に発根していました!ウェーイ(゚∀゚) ♪
そしたらやるしかありません。取り木の最終段階、取り外しをやっちゃいます。
ノコギリで根っこの下で切断しました。これでほぼ半分になったので、
樹高が、40cmぐらいにすることができました。
なんの剪定もせず、根っこもいじらず、根鉢そのまま大きめの浅鉢に植えました。
頭デッカチなので、鉢が大きくないと倒れてしまうのと、大きめの鉢で植えれば
水切れしにくく、成長もしやすいと思ったからです。
とりあえずは、あまりいじらず回復優先で育てていく作戦です。
枝葉が多いので、真柏も自然と葉を落としています。
下に落ちてる黄色の葉がそれです。
緑の葉は、黄色の葉を取る時に、とれちゃったんですね笑
これで僕の盆栽経験値が少しあがりました♪(´ε` )
真柏盆栽の植え替えを実際にやってみた!
続いて、残った真柏の植え替えをしました。
もともと、この真柏は鉢から地面に根をおろしていたものでした。
しかもその根っこはかなり太かったんですね。
鉢から根が出て生きている樹は、鉢の中の根っこは死んでいる可能性もあり、
地面に出た根っこだけで生きている場合もあります。
これを切った場合は枯れてしまうかもしれないので、
地面から切り離したあとは、根鉢を崩さず、そのまま植えたほうが安全です。
とくに僕は、チキンなので笑^ – ^
とりあえず1年間、でかすぎる鉢で育て、根っこはかなり伸びています。
まだまだ、でかい…
なるべく根を傷めないように、ガッツリと、小さくしていきました。
途中で、根っこを切り詰めながら、どんどんドンドン。
最終的には、こんな状態になりました。写真なので、サイズ感が伝わりにくい
とは思いますが、かなり小さくなりました。
取り木に成功したおかげて、枯れてもいいや的な、心理作用が働いているんです笑^ – ^
今回は、植え替え用土に、赤玉土と砕いた木炭を入れてみました。
これは、真柏が酸性土を嫌うためで、木炭がそれを防いでくれる役割があるそうです。
これで植え替え完成です。
まだ鉢が大きいんですが、成長をみながら少しずつ小さくしていこうと思ってます。
一朝一夕でできないのが盆栽。
どんな盆栽にしていこうか楽しみが増えました。♪( ´▽`)
真柏盆栽の植え替えについて
真柏の植え替えの時期は、2月下旬から4月中旬ごろ。
真柏は山の切り立つ崖や岩場などに自生しているため、
すごく強健な樹種で、植え替えのときの強い切り込みにも
よく耐えてくれます。
ほかの松柏類(黒松、五葉松など)より、
短い周期で植え替えが必要です。
細かい根をもつので、よく伸びて、根詰まりしやすいためで、
2〜3年に1度は植え替えしたほうがいいですね。
根張りをあんまり気にしない樹種なので、
古い根を切り、新しい根を伸ばすために更新して
リフレッシュするといった感じ♪( ´▽`)
真柏に使う用土は、赤玉土を中心に砂を混ぜたものが一般的です。
また、土が酸性化すると樹勢が落ちるので、鹿沼土などの酸性土は
使わない方がいいと思います。
僕はこのことを知らないとき、鹿沼土と赤玉土で真柏を植え替えましたが、1年間、ほとんど芽が伸びませんでした。
すぐに弱ってくるとか、葉が落ちるとかではないんですが、ほんとに
現状維持のような感じでした。
日当たりや、肥料や水やりについては問題なさそうなので、
酸性土の鹿沼土が原因じゃないかと思いました。
まとめ
・真柏とは、ミヤマビャクシンの別名。
・挿し木は、けっこう簡単。とりあえず、挿す。
・取り木は環状剥皮でやると、1年後ぐらいには取り外すことができる。
・夏の手入れ作業は、芽摘み・葉透かし、挿し木・取り木、ジン・シャリ作りが適期。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!