ウツボカズラは人気のある食虫植物です。
虫を捕るための袋の色や形はいろいろあって、育てるのも集めるのも楽しい植物。
今回はウツボカズラの育て方や、植え替えをしてみたので紹介します。
冬の管理と水やりについてもポイントを♪(´ε` )
ウツボカズラとは?
ウツボカズラ科 /ウツボカズラ属
Nepenthaceae /Nepenthes
学名からネペンテスとも呼ばれています。
ボルネオ島を中心に、東南アジア、インド、マダガスカル、オーストラリアなど、
広い地域に自生しています。約100種。
日本にはムシトリスミレなどは自生していますが、
ウツボカズラは日本に自生していません。
ウツボカズラは自生地での分布も幅広く、
低地性と高地性、中間地に分けられます。
・標高の高い場所に生息する高地性(標高1000~1500m以上)
・低地性と高地性の中間地(標高500〜1000m)
比較的乾燥にも強く、温度の適応範囲が広く、
室内であれば冬越しできる耐寒性をもつ個体が多い。
耐暑性が強いですが、寒さには弱い。育てやすいが、冬越しに工夫が必要。
寒さには強いが、暑さが苦手で、夏越しに冷房設備などの工夫が必要。
栽培がいちばん難しいグループです。
日本で普及している種類で、ネペンテス・アラタ(Nepenthes alata)があります。
ホームセンターで売られているウツボカズラで多い種類。
ウツボカズラといっても、様々な環境で自生しているので、
品種ごとの特徴を調べて、栽培環境を作る必要があります。
育て方
ウツボカズラは生息範囲が広いので、種類によってかわりますが、
基本的な育て方を紹介します。
栽培環境
明るい半日陰か、遮光した場所。
強い日照を好む種類や日陰を好む種類もある。
基本的には明るい場所を好みますが、直射日光では
強すぎる場合もあるので、遮光したりします。
まずは明るい日陰などに置いて、様子をみながら日当たり加減を探っていきます。
日照に慣らすという意味でも、徐々に環境を変えてみるのがポイントです。
ウツボカズラは、1日10時間以上の日照が必要と言われています。
日照時間が足りないと袋がつかなくなる。
温度
理想の温度は、
低地性は、
夜間の最低温度22℃ぐらいで、昼間の最高温度30℃〜34℃
低地性のウツボカズラは冬越しがポイント。
高地性は、
夜間は10℃〜12℃ぐらいで、昼間の最高温度が25℃〜30℃
高地性のウツボカズラは夜間の温度が低いので、
冷房が必要だったり夏越しが難しい。
冬の管理
低地性のウツボカズラは寒さに弱いので、
衣装ケース、ガラス水槽、室内温室などを使い、
保温して冬越しすることが多いです。
最低気温20℃を下回るようになってきたら室内栽培に切り替える。
種類や個体差はあるが、最低温度15℃を目安に。
冬でも成長を期待するのであれば、20℃以上は必要になります。
成長には光も必要なので、植物育成用の照明もあったほうがいいですね。
10℃以下になると生育障害がでるので、
なるべく暖かくして冬を乗り切ります。
温度だけではなく、湿度の維持もポイントなので、
やはり何かのケースに入れて冬の管理をするのが
いいと思います。
湿度
多湿を好む種類が多いので、
湿度50%以上を目安にします。
自生地では常に湿度90%以上のところに自生している個体もいる。
大きな袋をつけるには湿度も必要と言われていますので、
栽培環境のポイントになってきます。
水やり
基本は、表面の用土が乾いたらたっぷりと。
鉢底から流れ出るまでしっかり水やりします。
空中湿度は好みますが、用土の過湿は根腐れの原因になります。
ウツボカズラの根は空気を好む。
そのため通気性が必要。
水が少なくなれば、根をより張ろうとする。
濡れているときと、乾いてくるときと、
乾湿のメリハリが大切になってきます。
葉の厚いタイプは乾燥にも強く(ビーチ、トランカータなど)、
薄いタイプ(ミラビリスなど)は水を多く必要とします。
種類によって変わる水やり。
ウツボカズラの水やりは奥が深い(゚∀゚)
肥料
肥料は必要ないです。
虫を捕らえて栄養を吸収するように進化した植物なので、
肥料を与えると肥料焼けを起こしやすい。
袋に虫を入れるのも、入れすぎると袋が腐る原因になるので、
自然に入る虫だけで大丈夫。
用土
通気性がよく、保水性もあるもの。
弱酸性を好む。
ウツボカズラの栽培がはじめての方は、
水苔がおすすめ。
鹿沼土、赤玉土、ヤシガラ、ピートモス、日向土などでミックスコンポスト(配合用土)
を作ることもできます。
これは正解がなく、試行錯誤をして自分の栽培環境にあったものを考えなければならない。
ということで、まずは水苔がいちばん失敗の少ない用土になります。
植え替え
使っている用土が傷んだり、根腐れなどによってウツボカズラが元気ない時に
植え替えをします。
水苔やピートモスなどの有機質の用土は1年〜3年に一回、
鹿沼土や日向土などの用土は3年〜4年に一回は植え替えが必要になる。
植え替え時期は真夏を避けた、新芽が伸びる頃がいい。
5月下旬〜梅雨あたり。
温室など、植え替え後に保護できる設備があれば、
いつでも大丈夫でしょう。
植え替え後は、日陰の場所で湿度を高くします。
強い風はあたらないようにして、2週間ぐらいは水やりしないで
霧吹きで葉水します。
植え替えをやってみた!
秋に購入して冬を越した、
ネペンテス・アンプラリア(Nepenthes ampullaria)
右の大きいほうが実生個体で、たぶん赤い系の袋をつける。
左の小さい方が Nepenthes ampullaria green。
これは純粋な緑の袋を付けている。
鹿沼土が混ざったミックスコンポストで植えられていたので、
水苔植えにしようと思います。
ウツボカズラの根は非常に繊細で、モロイ感じ。
なので、枯れている根なのか生きている根なのか
判断が難しかった。
よく見ると根の先端に白い部分があったので、
これは生きている根ですね。
とりあえずあまりいじらない。
怖いから(๑˃̵ᴗ˂̵)
鉢はプラ鉢を使います。
水はけを良くするのに赤玉土(大粒)を入れとく。
水苔は乾燥しているのを戻さなければいけないので、
ビニール袋に入れて、霧吹きをして戻す。
しっとりフカフカになれば大丈夫。
以前はバケツの水に浸けて戻していましたが、
それだと水苔の栄養素が流れ出てしまうらしいのでやめました。
細い根を切らないように、水苔でネペンテスをくるみます。
鉢に入れて指で寄せるとスペースができるので、
水苔をそこに入れていく。
あまりギュウギュウに入れても水はけが悪くなるので、
水が2〜3秒ですっと流れるぐらいの硬さで植えてます。
軽く握りこぶしを作った時の、親指の付け根ぐらいの柔らかさ?
わかる?^ – ^
これで植え替えが完了。
植え替え後は風の当たらない、日陰で管理。
霧吹きで湿度を高めて、新芽が伸びてきたら
通常の管理に慣らしていくながれ。
まとめ
・品種ごとに栽培環境を調べる
・冬の管理は設備を用意できれば簡単
・根が細くモロイので植え替え時は注意
最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪(´ε` )